ボイトレをする上で知っておくべきこと ~喉頭懸垂機構とは~

初めに

さて、前回は内喉頭筋群についてお話ししました。

内喉頭筋群についてはこちらです!(難しいけどめっちゃ重要)

今回は喉頭懸垂機構についてお話します。

今回も難しい漢字がたくさん出てきてすごく嫌な気持ちになるかと思います(笑)

でも!なんと!ボイトレにおいて前回の内喉頭筋群と今回の喉頭懸垂機構を自由に動かすことができれば、歌の悩みは8割方解決するといわれています!

はい。学んでみたいと思ってきましたか?

今回は名称や働きを覚えていただきますが、今後どのようにトレーニングしていけばよいかなども発信していきますのでお見逃しなく!

それではやっていきましょう!

喉頭懸垂機構

喉頭懸垂機構は喉頭を四方から吊っている筋肉たちです。

こんな感じ。

もう嫌になっちゃいますね(笑)

名前を覚える必要はありません。

喉が吊られている方向、その方向を意識することで何が起こるのかを覚えましょう。

吊られている方向としては、前斜め上・後ろ斜め上・前斜め下・後ろ斜め下を意識するのが良いです。

そして、この四方を鍛えることで何が起こるのか、なんですが、簡単に言うと喉頭が安定します。

逆に、ほとんどの方は喉頭が安定せずにグラグラした状態なんですね。

その状態だと、内喉頭筋群がうまく働かないんです。

例えるのであれば、繊細な作業をしているのに地震が起きてしまうみたいな状態です。

吊られているものを四方から引っ張ったら安定しますよね?喉が安定している状態もそんな感じです。

なので、一つの方向だけを鍛えるのはよくないのです。

四方の筋肉が拮抗している状態で自由に動かせるように意識してトレーニングしましょう。

喉頭懸垂機構を鍛えるべきだと思ってきましたか?

それでは一つ一つ解説していきます!

前斜め上

甲状舌骨筋(こうじょうぜっこつきん)です。

  働き : 喉を前 + 上に引き上げてくれます
声の変化 : 鼻声のような、猫のような声になる

ここで、ボイトレをかじっている方は疑問を持ったかもしれません。

「喉は引き下げるべきなんじゃないの?」

それは半分正解です。

ですが、それだけを意識するのは危険です。

あくびの喉って喉を下げるためのよくあるアドバイスですよね?

その喉の状態で歌ったことありますか?

オペラのような声になると思います。

これって求めているような声ですか?

おそらく、大半の方は違うんじゃないかと思います。

むしろ、最近の人気のあるボーカルの方々(特に高音が得意な方)は比較的喉が上がっています。

ただ、本当にボイトレというのは難しくて、上げるだけでもダメなんです。

先ほども言いましたが、バランスです。

焦らず一つ一つやっていきましょう。

後ろ斜め上

口蓋喉頭筋(こうがいこうとうきん)茎突咽頭筋(けいとついんとうきん)です。

  働き : 喉を後ろ + 上に引き上げてくれます
声の変化 : さわやかな少年やアナウンサーのような声になります

こちらも引き上げ系かつ後ろ方向に喉を引っ張ります。

よく、喉を開くことが大切って言いますよね?

この方向を意識すると、その感覚になる場合が多いです。

少年のような、さわやかな声になります。

加えて、歌を歌うときに泳ぐように滑らかに歌うことができます。

前斜め下

胸骨甲状筋(きょうこつこうじょうきん)です。

  働き : 喉を前+下に引き下げてくれます
声の変化 : やわらかく丸い声になります

歌がうまい方、この人の声いいなーって思う方って高音でもやわらかく発声してませんか?

それは引き下げ系の筋肉が働いているからです。

喉が上がりすぎて苦しくなってしまう方はこの方向を意識してみてください。

後ろ斜め下

輪状咽頭筋(りんじょういんとうきん)です。

  働き : 喉を後ろ + 下に引き下げます
声の変化 : 深く、太い声になります

こちらも引き下げ系の筋肉です。

あくびの喉を意識するとこちらが強く働きます。

深い声というか、こもった声というか、オペラのような声になります。

声を太くしたいと思ったらこちらを意識するとよいでしょう。

あくびの喉というものを否定する方がこの頃増えている気がしますが、これも必要です。

ただ、あくびの喉というのが広まりすぎて、それだけを意識した結果発声が崩れてしまっている方が多いのは事実です。

しつこいですが、バランス。バランスが大事なんです...

まとめ

【今回のポイント】
・喉頭懸垂機構は喉を四方から支える筋肉たち
・バランスよく鍛えることで喉頭が安定し、内喉頭筋群も働きやすくなる
・結果的に自由な発声につながる

少しずつ、ボイトレにおいて何を鍛えていくべきなのかが見えてきたのではないでしょうか?

僕は、内喉頭筋群と喉頭懸垂機構について知ったとき、世界が変わりました。

学んでいくほど、このトレーニングは何のためにあるのかがわかっていき、納得感が出てきました。

「これって何の意味があるんだろう。」ってものを練習するのって苦痛じゃないですか?

知識を入れるのってちゃんと勉強ですし大変ですが、こういったことをサボらない方が最終的に報われると思っています。

でも、こう考える人もいるかもしれません。

「プロだってこのこと知らない人いっぱいいるでしょ?」

その通りです。

極論ですが、うまくいくのであれば知識なんて一切いらないんです。

でも、この記事を読んでくださる方は、もっと歌がうまく自由に歌いたいんですよね?

そうであるならば、地道にやっていくしかないんです。抜け道なんてないんです。

ミックスボイスができるようになれば高い声が出るわけじゃないんです。

練習をして、自由に発声できるようになった先がいわゆるミックスボイスなんです。

とはいえ、自分もいつも近道を探してしまいますよ(笑)

そしていつも後悔する。

だから、皆さんには結果的には一番の近道である回り道を選んでほしいです。

さて、今回も難しい内容でしたがここまで読んでくださりありがとうございます。

みなさんが自由に楽しく歌が歌えるように、これからも発信していきますのでこれからもよろしくお願いします!

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