ミックスボイスの出し方って?

初めに

ミックスボイス難民の皆さん。こんにちは。

皆さんはミックスボイスって何だと思いますか?

高い声を出すためのテクニック?
楽に声を出すための技術?
エッジボイスに裏声を足したもの?

それらはすべて間違いです。

この考え方を持っている方は、ボイトレをするにあたって回り道はおろか、下手になる方向に進んでしまっている可能性があります。

この記事では、

・ミックスボイスとは?
・ミックスボイスの出し方?
・ボイトレに近道はない


ということを話していきたいと思います。

ミックスボイスとは?

まず、ミックスボイスとは何なのか。

答えは"声区"です。

声区とは裏声とか地声とかのことを言います。

地声で歌っていて高いところになると裏返ってしまう方いらっしゃいますよね?

それはミックスボイスという声区が喪失しているためといわれています。

ここで、気づいてほしいことがあります。

それは、ミックスボイスはテクニックではないということです。

だからなに?と思う方もいるかもしれませんが、これは大切なことです。

なぜなら、ミックスボイスをひとつのテクニックだと解釈してしまうと、ミックスボイスを身に着けるための練習に飛びついてしまうからです。

そして、いま世に出ているミックスボイスの出し方はトレーニングという観点で見るととても偏りがあります。

ミックスボイスの練習と聞いて何が思い浮かびますか?

・Nay Nay 発声
・エッジボイス
・鼻腔共鳴

とか、よく言われますよね。

これらの練習はすべて、声帯閉鎖を強化する練習です。

別に、これらが悪い練習というわけではありません。

しかし、やりすぎると、どんどん声が詰まっていき高い声が出せない、もしくは固く細い聞き苦しい声になってしまいます。

こういった声で歌っている方、非常に多いです。

そしてご自身でもそれに気づいている方も多いですが、それを練習不足であると勘違いし、さらに悪い方向に進めてしまう方もたくさんいます。

ボイトレはバランスが命。

閉鎖だけではいけません。

ここまでで、ミックスボイスという言葉の危険性が理解できたかと思います。

次に、ミックスボイスの出し方について話していこうと思います。

ミックスボイスの出し方?

「ミックスボイスが声区であることは分かった。じゃあその声区はどうやって出すんだ?」

そう思われた方が多いかと思います。

答えはとても単純です。

内喉頭筋群と喉頭懸垂機構をしなやかに動かせるようになることです。

内喉頭筋群と喉頭懸垂機構ってなに?って方は、下記をご覧ください。
内喉頭筋群とは 喉頭懸垂機構とは

ミックスボイスという声区は、地声の筋肉と裏声の筋肉がどちらも働くことで生まれます。

簡単に言うと、地声の筋肉は声帯を厚くし、裏声の筋肉は声帯を引き伸ばします。

その結果、裏声とは違い厚い声のまま高い音域まで登っていけるわけです。

そして、それができるようになるにはまず分離という工程を通らなくてはいけません。

分離というのは、裏声は裏声、地声は地声と分けることです。(詳しくはこちら)

それも、正しい出し方で。

多くの方は地声を出すときも裏声を出すときも、余計な力が手伝っています。

そして、それが喉締めだったりにつながっているんです。

まずは、それらをなくして"純度の高い"地声と裏声を出せることが必要です。

面白いのですが、この純度の高い二つの声を練習していくと、その過程で2つの筋肉を共存させる感覚が身についてくるんです。

そう、ミックスボイスというのは出せるように努力するものではなく、結果的に出せるようになるものなんです。

ボイトレに近道はない

はい、ミックスボイスは高い声を出すための裏技的なものではないと分かったかと思います。

でも、ミックスボイスがそういった広まり方をするのも無理はありません。

だってみんな、楽にすぐに高い声が出せるようになりたいですもん。

当然です。僕もすぐにうまくなる方法があるなら飛びつきます。

しかし残念ながらそんなものは少なくとも今はない。

だから、基礎から一つ一つ学んで鍛えていくのが結果的に一番の近道なんです。

何事もそうですが、結局小さいものを積み上げてきた人が強いんです。

だから、周りに歌がうまい人がいたとしても、焦らずにやっていきましょう。

ボイトレにおいて、戦う相手はいつも自分自身です。

まとめ

【今回のポイント】
・ミックスボイスは「テクニック」ではなく「声区」である
・成立するには地声筋と裏声筋が両方働く必要がある
・まずは純度の高い地声と裏声を分離して鍛えることが大事
・ミックスボイスは正しい練習を積んだ結果として自然に出せるようになる
・ボイトレに近道はなく、基礎の積み重ねが一番の近道

いかがでしたか?

厳しいようですが、歌は簡単にうまくなるものではないのです。

ちなみに、

・Nay Nay 発声
・エッジボイス
・鼻腔共鳴

これらの練習はダメというわけではないですからね(笑)

これがはまる人だっています。

ただ、やはりまずやるべきは分離ですね。

これをやらないと、練習してもその効果が出なかったりします。

分離のやり方についても、今後記事にしますのでお待ちください!

ということで今日はここまで。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

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